STARSIA

会計税務ニュース

【韓国の会計・税務レポート】仮想資産の評価のための仮想資産事業者の告示及び仮想資産の評価方法

先月は、仮想資産に対する課税規定及びそれに関する議論について紹介しました。

 

国税庁では、2021年12月28日付けの告示により仮想資産評価のための仮想資産事業者を選定しました。

以下では、同告示の内容とともに、仮想資産を相続、又は贈与する場合、2022年から適用される改定された

仮想資産の評価方法についてご紹介します。

仮想資産の譲渡、又は貸与から発生する所得(その他所得)に対しては2023年以降に課税が延期されましたが、

仮想資産を相続、又は贈与する場合、その他所得に対する課税とは関係なく、相続税、

又は贈与税の課税対象となります。

 

 

1.仮想資産事業者

 

国税庁が告示した仮想資産事業者(以下、「国税庁長告示事業者」)は4ヶ所の取引所で、ヅナム株式会社、

株式会社ビッソムコリア、株式会社コビット、株式会社コインワンです。[1] これらの仮想資産事業者は、

情報セキュリティ管理システム認証を獲得し、銀行実名口座を確保して

『特定金融取引情報の報告及び利用等に関する法律』第7条に基づき、

金融情報分析院に申告受理された事業者です。

 

 

2.仮想資産評価額の算定方法

2022年1月1日以降、仮想資産を相続、又は贈与する場合、国税庁長告示事業者の事業場で取引される仮想資産は、

相続開始日、又は贈与日(以下、「評価基準日」)前後各1ヶ月間の当該仮想資産事業者が公示する

日平均価格の平均額で評価します。国税庁長告示事業者の事業場以外の事業場で取引される仮想資産の場合は、

当該事業者の事業場で公示する取引日の日平均価格、

又は終了時刻に公示された相場価格等合理的に認められる価額で評価します。

 

即ち、2021年12月31日以前と比較して2022年1月1日以降に適用される

相続税及び贈与税法上の仮想資産の評価方法は以下の通りです。

2021年12月31日以前

2022年1月1日以降

国税庁長告示事業者の事業場で取引される仮想資産

それ以外の事業場で取引される仮想資産

評価基準日現在における時価*

* 取引日の最終相場価格、取引時点価格等合理的に認められる価格

評価基準日前後各1ヶ月間の日平均価格の平均額

取引日の日平均価格、又は最終相場価格等合理的に認められる価格

 

3.仮想資産日平均価格の照会方法

 

国税庁長告示事業者の事業場で取引される仮想資産の1日平均価格は、

各仮想資産事業場のホームページ等を利用して照会することができます。

 

即ち、多数の国税庁長告示事業者の事業場で取引される仮想資産の場合、

毎日公示される各事業場別の日平均価格を平均した上、評価基準日前後各1ヶ月間の平均額で評価します。

例えば、国税庁長告示事業者の事業場の4ヶ所の取引所で全て取引される仮想資産は、

4ヶ所の取引所で公示した日平均価格の平均額を「仮想資産日平均価格」とみなして、

評価基準日前後各1ヶ月間の平均額を計算します。

 

国税庁では、評価基準日前後の各1ヶ月間の日平均価格の平均額計算を円滑にするため、

ホームタックス[2]に「仮想資産日平均価格照会」画面を2022年3月頃に新設する予定です。

 


[1] 2021年12月9日現在、国税庁長告示事業場者の事業場で取引される仮想資産の種類は、以下の通りです。

ヅナム株式会社

株式会社ビッソムコリア

株式会社コビット

株式会社コインワン

160個

184個

74個

192個

 

[2] 国税庁が運営している納税自動化システムです。ホームタックスを利用すると、電子民願、電子申告、電子告示、課税資料提出、電子納付及び照会等の納税業務を税務署に行かず、インターネットを利用して家庭や事務室で便利に処理することができます。